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コラム

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2020.05.09

コロナ陰性の証明、職場復帰の目安について【コロナ時代に風邪をひいたら…】

※2020年5月に作成した記事です。




●職場からコロナ陰性の証明を求められた。
●かぜ症状はよくなったけど、いつ職場に復帰すればいいの?




このような問題を感じている方はすでにいるし、今後も問題になってくると思われます。
いわゆるコロナ難民やPCR難民という言葉があります。
一部、有名人の方などで『コロナらしいので自宅待機している。検査の適応ではないので検査はしていません。当面仕事は自粛します、時期は未定』など報道されています。
ただ、そのような事を言っていられないような方もいるでしょう。職場からは仕事復帰できないのなら、雇用にも限界があると言われてしまったり、コロナかどうか検査できずに職場と板挟みになる人もいるでしょう。

●職場からコロナ陰性の証明を求められた。
これはまずPCR検査に対する理解が必要です。
PCR検査に関わらず全ての検査において感度と特異度という検査の正確性をあらわす指標がありますが、100%のものはありません。
PCR検査でもコロナの人で陽性と判断される確率は70%以下です。
つまり数人に一人のレベルで、検査陰性でもコロナの人はいるわけです。
症状などがあやしくて、検査を繰り返し、10回を超えた検査でようやく陽性を確認できた海外の症例報告もありました。
今後、PCRより早く結果がでる抗原検査も普及すると思われますが、感度はPCRより低いか同等の可能性が高いでしょう。PCRと同様に陰性を証明する根拠にはなりません。

かぜ症状があり、よくなった。PCR検査(または抗原検査)をして陰性だったので、仕事に復帰してよい!…ではないのです。
結論風邪症状のある人やあった人は下記の基準に従って、しっかり休養・隔離が望ましいと考えます。

現状では、コロナ陰性の証明のためだけに貴重な医療資源を費やす余裕はありません。
つまり会社からそのようなことを求められても医療機関として対応することは現状は難しいです。
同じ理由と思われますが、楽天が予定していたキットの販売も中止になりました。
今後は抗体検査などで、過去にコロナに感染していたことを調べることは可能になるでしょう。
海外渡航前などに必要になる場合もあるようですが、無症状の人に対して、保険外診療(自費)でコロナ陰性証明書の発行とPCR検査を自費で行う医療機関もあります。重要な注意点がありますが、上記のように検査の感度と特異度が100%にならないため、コロナ陰性を100%証明することは不可能です。さらに陰性を証明したとしても、検査したその時点での証明であり、検査の翌日以降にコロナに感染する可能性もあるわけです。個人的には心配だからという理由でのPCR検査はお勧めしません。検査前確率の高い人(濃厚接触者や3密に心あたりのある人など)はその限りではありませんが…。

●かぜ症状はよくなったけど、いつ職場に復帰すればいいの?
2020年4月30日、プライマリケア連合会の診療の手引きの2版にその目安が示されました。以下は抜粋です。

表にあるように、
【コロナの確定者】は、
発症から14日以上の経過かつ、退院基準を満たすこと。
【PCR検査陰性(コロナではないとは言えない)または未検査のかた(いわゆるPCR難民のかたも含む)】では、
発症後に8日経過かつ、薬など飲んでいない状態で3日以上症状が消失していること

が社会復帰の目安として示されました。

前者は病院や保健所から詳しく指示されますので、ほとんどの方が気にされるのは後者のほうでしょう。
インフルエンザでよく言われるのは、発症して5日、解熱後2日は感染性があるため、その後に復帰しています。
かぜを含む、コロナの疑いではそれを発症して7日、解熱後3日は感染性があるとしたということです。
インフルエンザより慎重ですが、仕事は1週間超休むことが必要ということになります。

一点、注意が必要なのは未検査の方で、症状が極めて怪しい人。例えば味覚・嗅覚の異常のあった方などですが、その場合は自分で判断せずに、医師に相談されたほうがよいでしょう。場合によってはコロナの確定者と同様に症状消失後、14日間の自宅待機が望ましいかもしれません。

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