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コラム

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2022.06.14

野々市市(白山市、金沢市)で子宮頸がん予防接種・ワクチンを希望するかたへ

 子宮頸がんはワクチンで予防可能な”がん”です。
  ~原因のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防する~

 

”がん”にはウィルスや細菌を治療すること、感染を予防することで予防可能なものがあります。
よく聞くと思うのは、胃がんを予防する目的のヘリコバクターピロリの除菌療法です。
胃がんの原因の9割以上がピロリ菌と言われ、
なるべく若年で除菌することで胃がんを予防できることはよく知られています。
他にはC型肝炎ウィルスやB型肝炎を制御することで肝臓がんを予防することもできます。
子宮頸がんの場合でも同様に、ヒトパピローマウイルスの感染を予防することで、子宮頸がんの予防をすることになります。

ヒトパピローマウィルス

ヒトパピローマウィルス

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチン

 

 子宮頸がんについて ”Mother killer”

 

子宮頸がんは毎年1万人の女性がかかり、約3000人が命を失っています。
子宮を失ってしまう(子供が産めなくなる)人も年間1000人ほどいます。
他の”がん”との違いは、多くが20‐40代の妊娠・出産を考える世代に発症することです。
性交渉することにより、約8割の人が、ヒトパピローマウイルスに感染し、
感染が持続することで子宮頸がんが発症する危険性が高まります。
生涯で73人に一人が子宮頸がんにかかると言われています(2014年国立がん研究センター)。
ワクチン接種により”がん”を予防し、検診にて早期発見、早期治療につなげることで、死亡率の大幅な低下が期待できます。

 

 ワクチンのメリットとデメリット(副作用・副反応)について

 ★ メリット とにかく”がん”を予防する。

 

ワクチン接種で子宮頸がんの6-7割が予防可能です。12-13歳で接種している世界の国々で、
子宮頸がんにかかる女性が減少していることが報告されています。
日本(宮城、秋田県)でも、非接種者よりも、子宮頸がん検診での異常が52-88%減少したことが報告されています。
1994年から2007年に生まれた女性がワクチン接種の一時差し控えがありました。

その世代の女性において、ワクチン接種した場合と比較して、5000-5700人の超過死亡があるのではと予測されています。

 

 ★ デメリット 副作用・副反応

 

ワクチンの副反応として、接種直後のふらつき、注射部位の痛み、腫れ、発熱がみられることがあります。
非常に稀ですが(100万から400万接種に1回)重篤な副反応にはアナフィラキシー、
ギランバレー症候群(手足のしびれなどの末梢神経障害)、急性散在性脳髄膜炎(頭痛、意識低下、脳神経の症状)があります。
これらはインフルエンザワクチンやコロナワクチンでもみられるような副反応です。
因果関係が否定できない副反応の1つとして、注射をきっかけに広範な痛みや様々な身体症状が報告されています。
ただし、子宮頸がんワクチンに対する固有の副反応というわけではなく、
痛み刺激に伴う症状発現の可能性もあるといわれています。
日本で接種された820万接種で3例の報告がありました。
日本以外の主な先進国での対象者に対する接種率は80%程度なっており、日本の14.4%と大きな隔たりがあります。
ワクチンに対して、本人、家族がしっかり理解して、納得して接種することが大事だと考えます。
何か心配なことがあればご相談ください。

 

 シルガード9、ガーダシル、サーバリックスの選択肢

 

公費での接種はこの3種類から選ぶことになっています。2023年4月からシルガード9が追加されました。
基本的な違いですが、
サーバリックスはヒトパピローマウイルス(HPV)の16型と18型の予防ワクチンで、子宮頸がんを主に予防します。
一方のガーダシルはHPV16型、18型だけではなく、尖圭コンジローマの原因となる6型と11型も予防します。
尖圭コンジローマは出産時に乳児に感染すると若年性再発性呼吸器乳頭腫症という難病が発症する可能性があります。
シルガード9は、ガーダシルの上位互換でHPV16型、18型に加えて、31/33/45/52/58型を加えて、合計9種類のHPVの予防効果をもつことになります。当然、子宮頸がんの予防効果が高まりますので、今後は特別な理由がなければシルガード9での接種でよいと考えます。また、14歳以下で接種する場合は、通常の3回接種の他に、2回接種の選択肢もでてきます。注射の回数が少なることも1つのメリットではあり、日本よりも先に接種している諸外国でも2回接種がスタンダードになっています。

 

 ワクチン接種のスケジュール / コロナワクチンも同時期に受ける場合

 

当院では二つのワクチンの接種が可能です。事前に電話で予約をお願いします。

公費で受けられるワクチンは(サーバリックス、ガーダシルともに)、3回の接種を、次の①または②の接種間隔で行います。

①標準的な接種間隔

サーバリックスについては、1回目の接種を受けた1か月後に2回目を、6か月後に3回目の接種を受けます。
ガーダシルについては、1回目の接種を受けた2か月後に2回目を、6か月後に3回目の接種を受けます。
シルガード9は
15歳以上の場合、1回目の接種を受けた2か月後に2回目を、6か月後に3回目の接種を受けます。
14歳以下の場合、1回目の接種を受けた6か月後に2回目の接種を受けます。
いずれのワクチンも、1年以内に接種を終えることが望ましいとされています。

 

②標準的な接種方法をとることができない場合の間隔

①の標準的な接種間隔以外でも、小学校6年生から高校1年生相当の年度の間に、
公費で以下のとおりHPVワクチンを受けることもできます。
〇サーバリックスについては、1か月以上の間隔をおいて2回接種し、
1回目の接種から5か月以上かつ2回目の接種から2カ月半以上の間隔をおいて3回目の接種を受けます。
〇ガーダシル、シルガード9(15歳以上)については、1か月以上の間隔をおいて2回接種し、
2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて3回目の接種を受けます。

〇シルガード9(14歳以下)については
2回目の接種は1回目から5か月経過していれば接種することが可能です。

【新型コロナワクチンとの接種間隔】

原則として、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できません。互いに、
片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。

 キャッチアップ接種 定期接種の機会を逃した方へ
誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日の女性

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当)の間に接種を逃した方がいらっしゃいます。
まだ接種を受けていない方に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会をご提供しています。

接種の対象に該当する方は、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、HPVワクチンを公費で接種できます。

 

 ワクチン情報について詳細を知りたい方は厚生労働省のホームページも参照ください。

厚生労働省のアドレス https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html#Q1-7

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