アニサキスを摘出する

 ・胃カメラをする前にほぼ確定、腹部エコー検査も有用

 ・病歴があやしければ、とりあえずは胃カメラをする。

 ・虫体がいれば摘出し、症状は軽快  

 ・夜間などでは、アレルギー薬などで症状緩和の可能性も

SNSの時代です。有名人含め老若男女が罹患する可能性があり、SNSにアップするため、最近では多くの人に知られた存在になっているのがアニサキスです。

典型的な病歴は夕食に刺身を食べた後、数時間後、就寝したあとなどにお腹の痛みが出現する。転げまわりたくなるようなつらい痛みがあり、吐き気を伴うような人もいます。

一方で、たまに人間ドックで検査した人で見るかる人もいますが、まったく無症状の人もいます。無症状から激痛まで症状には幅があり、たまに胃とはあまり関係なさそうな症状の人もいます。

基本的に冷凍後に解凍した刺身ではなりません。大手のチェーン店などは冷凍していることがほとんどであり、地物の鮮度のよいものを扱っている飲食店や自分で釣った、あるいは知人からもらった魚でなる人が多い印象です。あと、しめ鯖など、酢でしめているものでも、アニサキスは生きていることがあり注意が必要です。サバやイカなどで多いですが、マグロなどの赤身の魚でも報告はあります。めずらしいものでは白子などでもなることあります。白子の美味しい時期は白子酢を食べたくなりますが、その後、腹痛があれば可能性があるということです。

病歴があやしければ胃カメラをすればよいのですが、事前に超音波検査ができれば胃壁肥厚を確認できます。ただ、胃壁の肥厚があまり目立たない場合もあります。

基本的に虫体を摘出すれば症状は軽快します。ただ、夜間などで自宅で我慢するようなときはアニサキスの症状はアレルギー反応であるため、手持ちに花粉症などのアレルギー薬があればその内服で症状が緩和される可能性もあります。病院でも夜間に緊急で胃カメラができない場合は蕁麻疹などと同様の対応で症状が緩和することがあります。ただ、基本的には時間かせぎであり、虫体を摘出することが根本治療になります。
ちなみにアニサキスの体内での寿命は1週間程度と言われており、そこまで我慢すれば軽快していくとのことです。胃カメラなどできなかった昔はみんな我慢していたのでしょうか。

②胃の襞の肥厚しているところに虫体
①腹部エコーで胃壁が肥厚

以下は当院での症例です。

症例1
 刺身を食べた後、腰部の間欠的な痛みを主訴に受診。胃の症状の訴えは乏しかったが、腹部エコー検査を実施。右図①は胃の輪切りですが、通常5mm程度の胃壁が10mm超に肥厚を認めたため、胃カメラ検査を実施。
赤矢印(②)のところに虫体を確認し摘出した(③)。虫体の周囲の胃壁はかなり肥厚しています。

③虫体を摘出

症例2
 刺身を食べて就寝。夜中に胃のつらさで目が覚めた。吐き気などなし。
 その後も症状が続き受診。腹部エコー検査(④)にて胃壁の肥厚を認め、アニサキスを疑い、胃カメラ検査を実施。一見虫体は見えなかったが、胃壁の肥厚が目立つ箇所あり(⑤の→)、よくみると虫体がとぐろをまいているのを確認でき(⑥)、摘出した(⑦)。

④胃壁がかなり肥厚
⑤→の胃壁がかなり肥厚
⑥アニサキスがとぐろ
⑦摘出