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コラム

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2024.07.18

高血圧の基準が変わった?の誤解

高血圧の基準が160/100に変わった!?

当院でも、患者さんが受診の際によく質問されるようになりました。

結論:基準の変更はなし

特定健診の受診勧奨判定が令和6年度から用いられるようになったことことから誤解が広まったようです。
日本高血圧学会からお知らせがきました。

厚生労働省による「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度度版)」1)の受診勧奨判定値を超えるレベルの対応についてこの内容は、以下のようになっており、これは、日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン2019年版2)の推奨と同じです。

● 収縮期血圧≧160mmHg又は拡張期血圧≧100mmHg
→ ①すぐに医療機関の受診を
内服開始と生活習慣の改善を並行する必要性があるかもということ
● 140mmHg≦収縮期血圧<160mmHg又は90mmHg≦拡張期血圧<100mmHg
→ ②生活習慣を改善する努力をした上で、数値が改善しないなら医療機関の受診を

今回の誤解は、2つの記載の①だけを強調されたものと考えられます。

①の血圧の範囲の場合、望ましい血圧レベルの人と比べて、約3倍、脳卒中や心臓病にかかりやすいことが分かっています。正確な血圧の診断の上で、治療が必要となる血圧レベルです。
血圧を下げるためには、減量、適度な運動、お酒を減らす、減塩、野菜を多くして果物も適度に食べるなど、生活習慣の改善が必要です。
ご自身で生活習慣の改善に取り組まれる方法、特定保健指導を活用する方法、保健センター等で健康相談や保健指導を受ける方法等があります。
これらを実行した上で、おおむね1か月後にかかりつけの医療機関で再検査を受けてください。血圧計が家や職場にある場合はその記録を持参いただくことも参考になります。
健診では一過性の血圧の上昇もありますし、ちょっとした自己管理で血圧が下がる場合もあります。
また受診して正確な血圧の診断をした場合でも、1ヶ月は生活習慣の改善を行い再評価します2)。
1か月後の時点で服薬の要否を判断するのは主治医と患者さんご自身です。
なお、重要なこととして、高血圧以外に、脳心血管病、心房細動、慢性腎臓病、糖尿病、危険因子の集積がある場合は、早期に薬の介入が必要な場合もあります。

健診結果に基づく受診勧奨も1)、高血圧治療ガイドライン2)も科学的エビデンスに基づいて作成されています。
これらに変更があったわけではありません。

令和 6 年 5 月 24 日 日本高血圧学会
引用した資料
1) 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版). 令和6年4月, (厚生労働省健
康・生活衛生局)(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001231390.pdf)
(2024年5月20日に利用)
2) 高血圧治療ガイドライン2019. (日本高血圧学会)( https://www.jpnsh.jp/guide
line.html)(2024年5月20日に利用)
3) 健診結果とその他必要な情報の提供(フィードバック文例集). 令和6年3月21日更
新, (厚生労働省健康・生活衛生局)(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000
/001231392.pdf)(2024年5月20日に利用)

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