厚生労働省による抗微生物薬適正使用の手引きの通知

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000166612.pdf

厚生労働省から2017年、上記のような通知が各都道府県になされました。

どういうことか、簡潔に説明すると、風邪や胃腸炎ではいわゆる『抗生物質・抗菌薬』は不要なことが多く、ましてや副作用などで悪さをすることもあるため、重症度や患者さんの背景(年齢や基礎疾患)などを勘案し、必要最小限に使用しましょうということです。

※診断のためのフローチャートも下に示します。

 当院ではチャートに沿った問診票(クリック)を用意し、的確に診断、抗菌薬を使用する方針とさせていただいております。

これは国際社会において不用意な抗菌薬の使用により生じた、多剤耐性菌の拡大が問題となっており、日本においては他国に比較して『抗生物質・抗菌薬』が多く使用されていた事実があり、これを是正しようということを背景にしています。

そのように日本においてたくさん『抗生物質・抗菌薬』が使用されてきた背景もあり、医療機関において漫然と抗菌薬を(予防的に)処方されてきたり、患者さんとしても、いつもと同様に抗菌薬を希望されたり、抗菌薬が必要ないだろうという説明に納得できないかたもいます。

もちろん、医療は人間のやることであり100%のものはありません。抗菌薬が必要ない状態と判断しても、後日症状の悪化により抗菌薬を使用することもあるかもしれません。なかなか医療機関に受診できない方で、悪化の可能性と副作用の可能性を天秤にかけて、納得されれば抗菌薬使用することもそこまで悪いとは思いません。ただ、知恵をしぼった手引きに沿って、必要のない抗菌薬の処方を可能な限り減らすということは、必要と考えます。抗菌薬を多く使用することで起こる不利益は副作用や医療経済的な問題、そして重要なものに耐性菌問題があります。いざ、命に関わる重大な感染症が我が身に降りかかったときに多罪耐性菌であった場合は最悪、命を落としてしまうこともあります。世界的にみるとこのままでは2050年には世界で毎年、1000万人の人が耐性菌のために命を落とすと警鐘を鳴らす報告もされています。

図 急性気道感染症の診断および治療のフローチャート 厚生労働省による抗微生物薬適正使用の手引きより引用

急性気道感染症の診断および治療のフローチャート

急性気道感染症の診断および治療のフローチャート

図 急性下痢症の診断および治療のフローチャート  厚生労働省による抗微生物薬適正使用の手引きより引用

急性下痢症の診断および治療のフローチャート

急性下痢症の診断および治療のフローチャート