逆流性食道炎  薬だけではよくならない!?
 胸やけ、胃もたれ、吐き気、腹痛、胸部の痛み、のどのかすれ、慢性的な咳

最近、若い人を中心に逆流性食道炎なる病気が増えています。
なぜ若い人に多いかというと、現代の生活習慣と大きく関わった病気だからです。
簡単に説明すると、逆流性食道炎は胃液が食道に逆流してしまい、食道が胃酸によりただれてしまう病気です。

逆流性食道炎の画像

また、胃酸の刺激のため様々な症状を起こしてしまうという病気です。
写真の→の部分が典型的な食道炎の所見です。
食道と胃のつなぎ目の食道側にいかにも痛そうな傷が伸びています。

ひどい人だと下の写真のように全周にわたって潰瘍のようになる人もいます。
ここまでなってしまうと食道炎でも最重症の狭窄症状(食事がのどを通らない)が出てしまう可能性があります。

全周性食道潰瘍の画像

逆流性食道炎は若い人に増えてきた現代病、生活習慣病と言えますが、問題点は大きく分けて2つあります。

● 症状がつらい
● 食道がん(バレット腺癌)の発生母地になる

食道まで逆流することを胃食道逆流症、のどのほうまで逆流すると咽頭食道逆流症なんていう名前で呼ぶこともありますが、
症状としては
胃もたれ、胸やけ、酸っぱいものがあがる、胸の痛み、胸がヒリヒリする
 胸がやけるように感じる
 のどのかすれや痛み、慢性的な咳
 様々な症状が夜間にあることによる不眠
 食欲の低下や体重減少
 気分の落ち込みで仕事やプライベートに支障をきたす
などがあります。このような症状はどれか1つは誰しもが、必ず経験したことがあるのではないかと思われるほどありふれた症状です。
ただ、これが長期にわたり継続すると病院に受診する動機になるわけです。
また、これらの症状は、前かがみになった時や嘔吐した後、就寝時など横になった時に起こりやすいです。

🔲 原因は何か?
現代病、若い人に多い、生活習慣に関係していると言いましたが、食事や生活習慣の影響で、

良くない習慣
仕事からの帰りが遅いため食事の時間が遅く、食後すぐに就寝する。
食べてすぐに横になる
前かがみになるような姿勢を取り続ける。代表例としては農作業、事務作業など。

こちらは習慣ではないですが、胃袋を押してしまう要因として多いのは
 肥満-内臓脂肪により胃が圧迫されやすい
 亀背-背骨の圧迫骨折などで背中がまがってしまっている人

良くない食べ物
 カフェイン飲料(コーヒーや紅茶、緑茶)
 アルコール飲料、炭酸飲料
チョコレートやケーキ、揚げ物などの脂っこいもの、肉類や乳製品。
これらはいずれも、胃と食道のつなぎ目をゆるくしたり、胃の食物の停滞時間を長くして、
逆流症状を悪化するものになります。

良い食べ物
アルカリ水(胃酸が中和される)、野菜や果物、穀物、ナッツなどの植物性食品。

🔲 検査
重要なことは問診により上記病態を疑うこと。
ただし、確定診断のためにはやはり胃カメラが必要です。
なぜかというと、胃酸が逆流にする原因に胃潰瘍や胃がんなどの命に関わるような病気が原因になっていることもあるためです。
症状がある場合はしっかりと胃カメラで診断した上で、生活習慣の改善や内服治療を行います。
また、逆流性食道炎を長期に罹患することで、食道の粘膜がバレット上皮という粘膜におきかわります。
胃カメラにてその所見を認める場合は要注意であり、定期的な経過観察が望ましい場合もあります。
日本人において食道がんのうちのバレット腺癌の割合はまだ低いですが、今後は増加が懸念されています。

🔲 治療
・生活習慣の改善
まず、できることは生活習慣の改善の改善です。
2017年のアメリカでの研究で食事療法は内服治療と同等の効果があるという報告もなされました。
症状があるときは、上の原因であげた良くない習慣を避けることが寛容です。

・胃薬  胃酸をおさえる薬 プロトンポンプ阻害薬
最近の胃薬は非常に優秀です。ほとんどの人がこの薬単独で症状が改善します。内服後1-3日で効果を実感できる場合が多いです。

・その他の薬
上記治療で症状が改善しない人も少ないですがいます。その場合は他の薬剤も併用して可能な限り症状を緩和していくことになります。
漢方薬や安定剤などを併用する場合もありますが、個々の状態によって相談しながら考えていきます。